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不器用なタッシュ

第6章 不安

香織は、流石にムッとしていた。


ここまで食い下がる香織だって見たことない。


何でだよ!
オッサンの味方なのかよ!


「嘉之…あのさ!」


そのタイミングで、今一番関わりたくない人物が現れた…オッサン…梶だ。


「ちょっと、通して貰えるかな?」


態とらしくそう言って、俺たちの間を割って、御手洗いに入って行く。


香織は続けて


「とりあえず、今は機嫌良く終わらせようよ。話は後で聞くから。」


「…アイツだけじゃなく…会社でも、誰か仲いい奴いるんじゃね~の…。」


怒り任せに、元木に聞いた事まで吹っ掛けた。


香織は、少し当惑しながら


「急に何言ってんの?」


「ほら!慌てて、おかしくないか!」


俺の知らない処で、俺の存在を消してんのかよ!


「意味が、分かんないよ。」


解んないのは、俺だ!


「知るかよ!」


香織が泣きそうな顔になった…。


そんな顔しても、俺だって訳解んなくて、苦しいんだよ!


「余り、彼女の心を試す様なこと、するんじゃないよ。須永くん。」


オッサンの言葉に、一瞬固まった。

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