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不器用なタッシュ

第6章 不安

「ん…あれ…どこ…?」


香織が目覚めた。


「水…。」


水を取りに、起きようとしていた。


「…香…織…起きた?」


「あっ…起こしちゃった。ごめ…。」


香織に触れようと、伸ばしたてを止めたら、言葉が切れた…驚いてるみたいだな。


触れて怖がらせたらと、思ったんだ。


「水?俺、取ってくるから香織寝てな。」


「あ…うん…。」


壊れ物みたいだった。


思わず掛ける声も、震えてしまう。


また、目の前で香織が、消えてく様な姿は見たくなかった。


冷蔵庫から、二本冷えたペットボトルを取り出した。


部屋に戻り、香織に渡す前に蓋を開ける。


結構力がいるんだよな…無駄に体力を使わせない方がいいよな…。


「はい。」


差し出すと


「ありがとう…。」


少し微笑む顔に、胸の奥がキュッとなった。


「…大丈夫…?」


本当に心配だった。


きっと凄く情けない顔だったと思う。

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