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不器用なタッシュ

第6章 不安

そんな俺に香織は、穏やかに微笑み


「大丈夫だよ…寝不足だったから、ちょっと貧血になっちゃって。」


香織……居なくならないで…。


存在を確かめるかの様に、恐る恐る指を香織の頬に近づけて触る…


「…ごめん…無理させて…。」


無意識だった。


自然と口を吐いていた。


香織は目を見開いて固まった…まだ、具合悪いのか?


「キスして良い?」


触れたくて…でも、怒ってないか気になって、聞いてしまう。


「う…うん。」


良かった……ホッとして…勢いが付かない様に、ベッドに手を付いて体重を掛けて、顔を傾ける。


微かに…掠める様に唇に触れた。


触れた瞬間…壊れやしないかと思った…。


また無理してないか…


「平気…?」


「平気だよ。」


ニッコリ笑う香織に、俺は幼い子どもの様にメチャクチャ嬉しくて顔が綻んだ。

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