テキストサイズ

不器用なタッシュ

第7章 歪

「じゃあ須永さん、また連絡しますねぇ~!」 


「えぇ!渡辺さんと、梶さんにも宜しくお伝え下さい。」


吐き気がしそうな笑顔で、オッサンの名前を強調しておく。


「はぁ~い!」


ニコニコしながら、元木は手を振っていた。


外に出て直帰しようとした俺に、南さんは


「トランスに戻りますか?」


伺う様に聞いてきた。


この人、俺の事苦手なのか?


同職の勘が働いてるのかも…。


「いや…直帰していいって言ってたから帰るわ!南さん、辻さんに連絡しといて。お先~!」


「あっ!分かりました。お疲れ様でした。」


とにかく早く、一人になりたかった。


今すぐ香織を呼び出したくなる。


携帯の発信ボタンを押し掛けそうになって…


指を止めた…。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ