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不器用なタッシュ

第7章 歪

「なんかしてたの?」


「別に~簡単なデッサンくらいかな、喉乾いたから買い出し行ったら、香織がいるんだもんな。」


普通に答えたつもりだが、何だか久々に香織の口元がムニムニしてた。


面白い事、言ってないけどな。


「なんか用事あった?」


「あ…うん…ちょっと…。」


何か様子が、違う気もする。


香織は缶をテーブルに置いて、俺の方に向き合ったから


「ん?どうしたの?」


やっぱり、話があるのか…えっ…


「嘉之…。」
「香織っ?」


香織は俺に抱き付いてきた…初めてじゃないか?


「珍しいな、香織から抱き着くなんて。」


可愛くなって、穏やかな気分で香織の背中に手を回し、右手で髪を撫でる。


「嘉之…インタビュー…どうだった?」


「インタビュー?あぁ、一昨日のね。結構、赤裸々に話したかもな。」


「そっか、広報…楽しみだな…。」


インタビュー気にしててくれたのか…まあ、会社に関わる事だしな…。


それでも、必死で服を掴む香織に…嬉しくなった…。

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