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不器用なタッシュ

第7章 歪

香織が、マンションに到着した。


「入りな…。」


「うん…ありがとう。」


部屋に入りスーパーから買ってきたモノを出そうとしていた時、一気に引っ張り壁に押し付ける。


ドスンッと鈍い音がし、香織の顔が少し歪む。


檻の様に…壁に挟まれた状態にすると、香織は戸惑いながら


「嘉之…どうしたの…?」


「梶さん…会ったんだろ…。」


目が見開き、息を飲む。


何でそんなに驚くの?


「そ…うだよ…だって仕事の打ち合わせ…だもん…会うに決まってるじゃない。つっ…。」


無意識に、香織の両手首を強く握った。


「打ち合わせの後は…何したの?」


「何も…してないよ。」


手から荷物が落ちた。


ドサッ!!コツン…コロコロ…。


音と共に中身が散らばり、沢山のキャンディが足元に転がっていった。


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