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不器用なタッシュ

第7章 歪

「はっ…でん…。」


そんなの…どうでもいい。
ほっとけば切れるだろ。


でも携帯の振動、再度鳴って止まらない。


気にした香織が、叫ぶ。


「ん~!ん~!!電話っ!」


「…たくっ!誰だよ。」


邪魔すんなよなっ!


怒り任せで通話を押すと


「はい!…あぁ…兄貴かよ。」


『何そんな不機嫌なんだよ!近くまで来たからさ~。今から会えない。母さんに預かりもん頼まれてさぁ~。』


「あぁ…えっ!今から!?」


床に寝転がってる香織に、視線を送る。


突然、タイミングが悪いな…


「他の日は?」


『いや、食いもんで足が早いから早く渡してって言われて。前、一緒に飲んだ居酒屋辺りにいるんだけどさ。』


なっ!母さんも、メールくれればいいだろう!


「…あぁ…はぁ~。分かったよ!じゃあ、そこ行くから!」


プツン…ツー。


「チッ!」


通話を切って、舌打ちした。

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