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不器用なタッシュ

第7章 歪

「ビールは苦手だったよな…チューハイでいいか?」


「ああ…生グレープフルーツで。」


「はいよ!お姉さ~ん、生グレープフルーツチューハイ一つ~!」


「畏まりました~!」 


直ぐに運ばれたチューハイと、お通しの枝豆を摘まみだす。


「最近頑張ってるみたいだな~!正直、絵だけでここまで来るなんて思わなかったよ。」


「ああ…本当にな。」


元々、絵が上手かったのは兄貴の方だ。


俺は、何気に兄貴の影響を受けていっていた。 


父親も母親も、割かし放任だったから、悔いなくやりなさいと言ってくれていた。


俺の環境は、恵まれていたんだろう…今だって、落ち着いて掛けるのもギャラリストが付いたから…。


それは香織のお蔭といっても、過言じゃない……。


「兄貴さぁ~。彼女欲しいか?」


生中を飲んでいた兄貴は、いきなりの質問に


「ぶっ!いきなり何言ってんだよ!」


「いや…紹介したい子がいてさ…どうかなって。」


兄貴が頼んでた、だし巻き玉子を一切れ食べる。


「…因みに…どんな子?」


ノッてきてるし…。


「若いよ…可愛いんじゃないかな…。」


そう言って俺は、元木の話を始めた。

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