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不器用なタッシュ

第7章 歪

元木の話に乗る気になった兄貴と、今度機会があったら飲み会をセッティングする事にして別れた。


これで元木も、後腐れないだろう…。


俺には些細な事だったのに、これが後々香織との亀裂の原因になるなんて、全くもって知るよしもなかった。


呑気に鼻歌を歌いながら、マンションに向かう。


遅くなったから、香織に連絡しとくか…そう思って携帯を鳴らすが、一向に出ない。


寝たかな…。


あのまま床に転がってたら、風邪ひいちまうな…。


ちょっと急ぎ足で、マンションに戻った。


ガチャガチャ…ドアを開けて名前を呼ぶ。


「香織~!」


暗いし、シーンと鎮まりかえっている。


寝室かな?


そっと覗くが…ベッドには、居なかった。


「居ない……。」


呆然として、リビングに行くと…おかずと大量のキャンディ……そして


手紙がテーブルにあった。

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