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不器用なタッシュ

第7章 歪

それからずっと、コールしたりメールをし続けた。


最初は不安と苛立ちから、感情のままにメールした。


『勝手に何で帰ったんだ!』
『連絡くらいしろよ!』
『無視してんなよ!』


本当に自分勝手な言い分なのに、当たり前の様に送りつけた。


風呂に入って、香織が作ってくれたご飯を食べ始める…。


「…旨いな…。」


妙に優しい味がした…。


「…顔色…悪かったな…。」


最近、本当に痩せてきてたし…それでも、ご飯とか作ってくれるんだよな…。


何でこんなにして貰ってんのに…俺、不安になるんだろう…。


多分…自分に『自信』がない…香織は本当はモテるだろうし、俺なんかより優しくて仕事出来る奴なんて腐る程いる。


無意識なのか…香織の愛情を確かめたくなる。


「香織……。」


側に居て…。


虚ろな視線で、携帯を見詰める…


『香織…体調は大丈夫か?』
『顔色悪かったけど、貧血?』


『チュッパ大量だな(笑)ダリ懐かしいな。』


またメールを何通か送った……だけど…


香織からは、何の連絡も無かった…。

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