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不器用なタッシュ

第7章 歪

「ふっ…人混み…嫌いだっちゅうの…。」


写メに向かって苦笑いをした。


香織……浴衣姿、可愛いじゃん…。


ディスプレイを指で、なぞる。


俺は、ずっと画面を見詰めたまま……その日の残り時間を過ごしていった…。




それから、来る日も来る日も…香織からは連絡は来なかった。


俺は怒りや不安より、やたら冷静になっていった。


自分からも連絡は、しないでおいた。


メールしたって意味がない気がしたから。 


言葉はチープだ…直接会って、抱き締めた方が気持ちが伝わると思ったんだ。




1ヶ月経っても、特に動きはない…。


「さてと…どのシチュエーションが確実かな…。」


香織と確実に、話せる状況を考えた。


結果…香織の会社が無難そうだ…。


待ち伏せも、逃げられる可能性がある。


逃がさない為には……フルに思考を回転させて、諸状況も含めて……1ヶ月後にチャンスは訪れた。



香織………絶対に…離さないからな…。

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