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不器用なタッシュ

第7章 歪

約2ヶ月半後…

今、目の前で香織と辻さんが打ち合わせをしている。香織の会社とトランスの打ち合わせに同行させて貰う事にた。


辻さんは呑気に


「須永くん、熱心だねぇ~!」


なんて、嬉しそうに笑う。


ミーティングルームに香織が現れた時、眉が一瞬上がっていた…そりゃまあ、驚くだろうな…。


それからは、普通に仕事の顔だ。


久し振りに見る香織は、また少し痩せた気がする。


打ち合わせが一段落して、家具のサンプルは次回と香織が言って終わる。


「じゃあ、僕たちはこれで失礼します。」


辻さんが、ドアに向かおうとした時…


「辻さん!自分、渡辺さんと少し話して帰っていいですか?素材とか知りたいので。」


いきなりの事に、驚きながらも辻さんは


「え…渡辺さん、いいでしょうか。」


香織は、少し間を取ってから


「少しだけなら…時間ありますから、大丈夫ですよ。」


「すみません!では、僕は先に失礼します!須永くん、後で連絡下さいね!」


取引先だ…無下には出来ないよな…。


笑いそうな口元を堪えながら俺は返事をした。


「はい。分かりました。」


辻さんは出ていき…ミーティングルームには、二人だけになった…。

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