テキストサイズ

不器用なタッシュ

第7章 歪

「一成さん、司法書士さんなんですか~!凄いです~!」


他愛な話で盛り上がっていくと、元木は段々兄貴に食い付いてきた。


元々好みは、見た目優しい系みたいだった。


だったら冷たそうに見える俺より、ソフトな兄貴はストライクだろう。


背丈は余り変わらない、体格は兄貴の方がしっかりしてる。


でも仕事が忙しいのか、おっとりして奥手な兄貴に彼女は中々出来なかった。


小さい頃から、俺に無いモノを沢山持っていた兄貴を俺は尊敬していた。


殆ど二人で盛り上がってるし…時計を見たら22時近くになっていたから…そろそろかな…。


「元木さん…兄貴、今フリーなんだけど、良かったたら付き合ってみない!」


直球で、言ってみると


「えっ…一成さんと…。」


いきなり言われて、固まる元木。


「嘉之っ!」


ハッキリ言って、慌てる兄貴。


二人は目を合わせて、照れ臭そうに笑った…。


イケるかな…さてと、そろそろ帰らないと…。


俺は早く帰って、香織を抱きたくて仕方なかった…。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ