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不器用なタッシュ

第7章 歪

マンションに着いたら、23時半くらいになっていた。


「起きてるかな…。」


寝てても、やっちまいそうだけど…。


香織の唇も肌も呼吸も…自分の中に感じたかった。


部屋のドアを開けて中に入る。


「はぁ~疲れた…。香織いる~?」


香織は出迎えてくれようとしたのか、通路で俯いて立っていた。


「思いの外、時間かかったな。あれ、どうしたの荷物持って?」


リビングに行こうと横を通り過ぎたが、香織は荷物を持っていたのが不思議で、何気に聞いた。


「…える。」


何か聞こえたけど、目の前に好物のシチューが作られてて、一気にテンションが上がったのに


「あっ!シチューじゃん!やったね!食おう~。香織食った?」


「帰る!」


香織がいきなり叫んだ。


「はぁ!ちょっと待てよ!」


玄関に向かう香織を反射的に背後から抱き込む。


「離して!帰るからっ!」


「香織!落ち着けよ!どうしたんだよ!」


こんな感情的なの香織は、初めてだった。


何が、あったんだ?

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