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不器用なタッシュ

第7章 歪

目を見開いて、固まっている香織に続けて話す。


「今のパイプ、かなり古いから最近軋み激しいだろ、うるさいし狭いし…あれ香織…顔赤いよ。何考えたの?」


真っ赤になってる香織が可愛くて、ニヤリと笑ってしまった。


「赤くないし、何も考えてないし!」


ムキになってんし~。


「ふ~ん。セミダブルくらいは欲しよな。」


「分かった!カタログ探しておくね!」


香織の必死な姿に、笑いが止まらなくなっていた。




マンションに戻って、風呂から上がった香織に手招きをする。


「香織、髪乾かしてやるよ。」


「えっ…自分でやるよ。」


バスタオルで、髪を拭きながら戸惑っている。


「いいから、来いよ。俺結構、上手いよ!」


俺が引かないと、見たか


「分かった…。」


ソファーに座った香織を後ろからそっと指で髪を鋤き、傷めない様に乾かした。


香織の髪はサラサラしていて、シャンプーの匂いが甘く広がった。


乾かしながら、香織の一部に触れている事に胸の奥が穏やかになる。

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