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不器用なタッシュ

第7章 歪

五分くらいブローしたら、香織の髪はサラサラになった。


我ながら上手いと思う。


「ありがとう…本当に上手いんだね。手先が器用だからかな?」


「そうかもな。」


香織に言われて答えると、苦笑いしていた。


「嘉之…。」


香織が俺の方に振り向こうとした時、背中から抱き締めたら驚かれた。


「わっ!」


「香織…いい匂いする。」


甘い髪に頬擦りをすると


「嘉之…今日…どうしたの…?」


「ん~普通じゃ~ん。」


香織は俺がいつもと違うと思ってるみたいだ。


まあ…確かに普段と違うと言うより、こっちのペースにゆっくり誘ってるだけだ。


香織の顎を掴み、顔の位置を変えさせる。


「な、何っ!」


驚かれたが、気にもせずに香織の頬をなぞると、ビクリッと小さく震え、親指で唇を割った。


親指で、下唇から上唇となぞり、反応して目を閉じた瞬間、俺は顔を真横に傾けて唇を強く押し付けた。

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