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不器用なタッシュ

第7章 歪

香織が帰った後、シャワーを浴びた。


「シャワーくらい…浴びて行けば良かったのに…。」


あんな急いで、帰らなくても…。


端からしたら、香織の態度は当たり前なのに、俺は自分ばかりを正当し始める。


今更やってしまった事を後悔しても仕方ない。


俺はただ、香織と一緒に居たかっただけなんだ。


香織は分かって、くれてたのだろうか。


ただ、名前を読んで身体に腕を回してくれれば良かっただけなのに…。


『お願い…ごめん…もう止めて…。』


バシャッ!!


手のひらを勢い良く、壁に叩き付ける。


「何で……嫌がんだよ…。」


ずっと、泣いていた…。


『いいじゃん…それがオマエなんだよ…オマエの作品の様に、汚点を散りばめていけよ…。』


どこからか、声が聞こえた気がした…。


「俺の…作品…って…。」


バスルームから出た後、久々に会いたくなった人物に連絡をした…。

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