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不器用なタッシュ

第7章 歪

三本目の缶ビールに、手をかけた安岡が聞いてきた。


「実際どうなんだよ!香織ちゃんとは、結婚すんの?」


これには流石に、衝撃だった。


「ぶっ!いきなり、何言うんだよ。」


「いきなりじゃね~よ!考えて無いのかよ。香織ちゃん逃したら、絶対お前この先ずっと独りだぞ!」


リアルに想像、出来てしまう。 


「仕方ないな…。」


「おいっ!独りになる気か?」


独りが嫌なんじゃない…ただ…


「香織とは…考えてるよ…。てか、他に居ないだろ。」


食べ掛けのピザ虚ろに眺めるながら、香織のウェディング姿が一瞬浮かぶ。


もの凄く、綺麗だと思った。


でも、その隣に俺は、本当に居るのかな…。

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