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不器用なタッシュ

第7章 歪

考え込んでる俺に


「夢なんだよ…俺の…。」


安岡が、しみじみと語り出す。


「嘉之と…渡辺さんの結婚式…参列すんの…俺の夢だから叶えろよ。」


おい…夢を勝手に託すな。


「あのな…安岡…自力の夢にしてくれよ。」


「何っ!お前の女遍歴を眼前に見せられて、こっちがナーバスにされてきたんだぞ!最後くらい、良い夢みさせろよ!」


缶ビール二本で絡み酒か?


「分かったよ!俺だって考えてるよ!だから付き合うのだって2年間も辛抱したんだよ!」


ダンッ!


缶ビールを床に叩き付けて、安岡は


「辛抱したのは、渡辺さん!」


こいつ…完璧、香織の味方だな…。


「はいはい…そうだよ。」


いつも俺の我儘を訊いてくれるのは香織。



そう言えば…香織の我儘って…何かあったっけ?

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