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不器用なタッシュ

第7章 歪

「嘉之…本当…大事にしろよな…。」


「あぁ…。」


でも何でここまで、香織の肩入れすんだろ…まさか…


「安岡……おまえ香織の事…」


「うな訳ないだろ!阿呆か!」


阿呆だぁ~!


「まだ、言ってねぇ~だろが!」


「疑い深いテメーの事なんか、解るわ!俺だって大事な彼女いるんだからな!今日だって、約束してたけど久々におまえから連絡来たからキャンセルして、理由言ったら快く理解してくれた、可愛い彼女が居るんだよ!」


「解った!説明、長い!」


グシャッ!


怒ったのか缶ビールを握り潰した…空だったみたいだけど。


「大事な…親友だから…心配してんだよ…。嘉之…おまえ、渡辺さん失ったら…きっと狂うぞ…。」


「…なっ…何だよ…それ…。」


『狂う』…香織が居なくなったら…。


瞬間、視界がグニャリと歪みかけた。

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