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不器用なタッシュ

第8章 決意

新幹線の座席は、


「寝たいから離して取るよ。」


そう言って別々に座った。


イチャイチャを見せ付けられるのは、疲れるし。


兄貴たちより後ろに座ったけど、たまに聞こえる元木の声が神経を逆なでる。


「やだ~!一成さんたら!」


「ははは~!」


……ウゼェ!


仕方なくイヤホンを耳に突っこんで、音楽のボリュームを上げた。


腕を組んで、目を閉じる。


「………ちっ!」


何だか無性に、落ち着かない。


流れる景色に意識を移す。


田舎の風景が、やたら懐かしく感じた。

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