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不器用なタッシュ

第8章 決意

結局…


「お疲れ様でした!」


香織に深々と頭を下げられたまま…


一回も視線が合わせる事無く…見送られた。


「須永くん!南さん!お疲れ様~!いやぁ~素晴らしい発表会だったね!」


「はい…ドキドキしました…自分の作品が、いよいよ商品として人様の目に触れて行くなんて…感動でした!」


辻さんと南さんは、ずっとテンションが上がっていたが


「もう解散ですよね…俺、締め切りあるんでお先します…」


「え…須永く~ん」


後ろで、寂しそうに名前を呼ぶ辻さんを無視して、俺は急ぎ足でマンションに戻った。



腹の底から沸き上がる不安と怒りで、グチャグチャになりそうだった。


「仕方無いだろ…香織は裏方で忙しかったんだから…」


本当に…そうであって欲しかった。

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