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不器用なタッシュ

第8章 決意

ラストの一枚の仕上げは、こっちで描き上げるつもりで運んできた。


兄貴たちの結婚式の打ち合わせもあるし、実家より在京の方が都合が良かったからだ。


ポケットから携帯を取り出し、香織の名前を出す。


今すぐ呼び出したい衝動に駆られる…。


「はぁ…結果…早く出さないと…」


結果を出せばいいんだ…。


そして、とっとと香織連れて、海外で二人っきりになれば全て収まる。


形を整えて、香織を落ち着かせないとな。


ヨーロッパ圏でインテリアの店でも手伝ったりするのも楽しいかもしれない…。


俺は香織との時間を共有すれば、それで上手くいくと思い込んでいた…。


その間に…修復出来ない溝が出来ていたなんて…


知るよしもなく…。

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