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不器用なタッシュ

第8章 決意

約1ヶ月前


「え~これにて…須永一成、柚有葉さんの結婚披露宴を終了いたします。皆さま最後に今一度、二人に盛大な拍手を~!」


「おめでと~!」


「末永く幸せにね~!」


パンパカパ~ン! 
ファンファーレの音響が、鳴り響き…


兄貴の腕を組んで、旧元木は…ズルズル、ピンクのウェディングドレスを引き摺って退場した。


今回の元木サイドの関係者は、なるべく香織まで辿り着かない程度のところまでにして貰った。


何となく…こんな形で、身内に香織を会わせたくなかったんだ…。


だからって、ちゃんと場を設ける気も無かったけど。


挨拶が一段落した母さんが


「お疲れ様…嘉之…」


一言、労ってくれた。


棒読みに近い司会だったが、却って笑われてしまったりした。


「大した司会じゃなかったけど…」


「良かったわよ…一成も、やっと落ち着いたし…」


何か言いたげだったけど、母さんは小さく微笑んだだけだった…。

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