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不器用なタッシュ

第9章 霹靂

え…何でだよ?


聞こえてないのか?


いや…止まったんだから、分かってる筈だ。


普通なら、振り向くだろ!


振り向かないって事は……どうゆう意味だよ!?


「おい!待てよ!香織だろ?」


周りの目なんて、気にしてられない。


大声出して、香織に呼び掛ける。


すると益々、歩く速度が上がりやがった。


カッチン!


苛立ちが走る。


ふざけるなっ!!


「おい!香織なんで、無視するんだよ!」


一気に不安感と焦燥感が、渦巻き始める。


以前、連絡しても無視された、2ヶ月半の恐怖心と同じ感覚が俺を支配した。


でも…今はもっと…


『嫌な予感』がした。


そして…俺の予感は…

大抵、当たるのを思い出す。



薄れ掛けてた過去の

『古傷』が

疼き出した…。

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