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不器用なタッシュ

第9章 霹靂

スカートの裾をギュッと握っているのはなんでだろうな…。


「…香織…なんか緊張してる…?」


「えっ!!緊張?」


「肩に力入ってるし、手もほら…スカートしわ寄るよ」


シワシワになったスカートを見て、香織は苦笑いをする。  


「なんか突然なことばっかで、ビックリしちゃって…」


「そっか…でも、これからは結構一緒に居れるから」


「えっ!!」


「ははっ!何そんなに驚いてんの!」


俺は内心の不安を隠す様に笑って香織の頬を手で包み、額をくっ付けた。


「イタリア生活、楽しみにしてるからさ…」


だって…お前の夢だっただろ…。
俺と同じもの見ていたいって…
言ったよな…。


でも、香織は全然喜ぶ顔は見せなくて…


「ご、ごめん…とりあえず今日は…」


小田切との約束ばかり…


気にしているんだ…。

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