不器用なタッシュ
第15章 対決
ダンッ!
手から落ちそうになったグラスを叩きつけるように、テーブルに置く。
「嘉之くん? 大丈夫かい?」
「煩い! 静かにしてろよ」
「……分かったよ」
小田切は言われた通り口を噤み、黙って珈琲を啜っていた。
そんな態度でさえ余裕ぶっているみたいに見えて、不愉快でしかない。
小さく舌打ちを鳴らし、足を組み替える。
これからどうするか――――香織にここの場所を教えるのも、癪だしな。
今のこいつらなら、タッグを組んでくるだろう。
こないだだって、職場までこいつが迎えにきて香織を連れ去っていった。
さっき自分で描いた光景が、再び頭を過る――――。
結局香織は、居ない方がいいんだろう。
あんな通話の切り方をしたから、香織から折り返すが来るとかと思ったけど、携帯を確認したら思いっきりボタンを押したせいか電源は落ちていた。
あぁ――――そういうことか――――。
ギリギリ――――ギリ。
噛み合わせの悪い歯車みたいな、鈍い音が頭の中で響く。
この軋みは、俺と香織の音か?
このまま無理に動かそうとすれば、歯車はどうなるんだ――――?
手から落ちそうになったグラスを叩きつけるように、テーブルに置く。
「嘉之くん? 大丈夫かい?」
「煩い! 静かにしてろよ」
「……分かったよ」
小田切は言われた通り口を噤み、黙って珈琲を啜っていた。
そんな態度でさえ余裕ぶっているみたいに見えて、不愉快でしかない。
小さく舌打ちを鳴らし、足を組み替える。
これからどうするか――――香織にここの場所を教えるのも、癪だしな。
今のこいつらなら、タッグを組んでくるだろう。
こないだだって、職場までこいつが迎えにきて香織を連れ去っていった。
さっき自分で描いた光景が、再び頭を過る――――。
結局香織は、居ない方がいいんだろう。
あんな通話の切り方をしたから、香織から折り返すが来るとかと思ったけど、携帯を確認したら思いっきりボタンを押したせいか電源は落ちていた。
あぁ――――そういうことか――――。
ギリギリ――――ギリ。
噛み合わせの悪い歯車みたいな、鈍い音が頭の中で響く。
この軋みは、俺と香織の音か?
このまま無理に動かそうとすれば、歯車はどうなるんだ――――?