不器用なタッシュ
第17章 強行突破
取り合えず今は、感傷に浸る気はない。
これから最終決戦に向けて、布石を打たなければならないのだから――――。
「安岡、日本を発つ前に最後に頼みたいことがあるんだけどさ……」
『最後? 何かもう会えないみたいな言い回しだな~』
「はっ、そんなことねぇよ。イタリアに、遊びに来ればいいじゃないか」
『確かに! で、何?』
「急ぎで頼みたいんだけど、香織の持っている俺の昔の作品を買い戻したいんだ……」
『え……香織ちゃんから?』
「あぁ……これからお世話になるイタリアの画商が、昔の作品も取り扱いって言われてさ。俺の手元にあるのだけじゃ足りないんだ。香織が結構買ってくれていたからさ安岡から説明して貰えないかな? 俺はもう、香織に連絡しない方が良いだろうから……」
『嘉之……。分かった! そういう理由なら協力するよ』
「助かる。作品はトランスの方に着払いで送って貰えればいいって言って貰えるか? 担当さんも面識あるから、それで大丈夫だと思う」
『了解! いつまでに送って貰う?』
「出来たら、早めが助かる。今日か、明日か……」
『本当に急ぎだな!』
「あぁ、俺も驚いた。一気に話が進んだからさ。あと悪いけど、いつ送って貰えるか香織に確認取れたら、メールでいいから教えてくれないか? 会社の方にも連絡しないとだから」
『承知! 香織ちゃんに連絡取れたら、お前にメール入れとくよ。イタリア準備、頑張れよ!』
「……あぁ、マジ助かるよ。安岡……」
口元に笑みを浮かべ、心から安岡に感謝した――――。
これから最終決戦に向けて、布石を打たなければならないのだから――――。
「安岡、日本を発つ前に最後に頼みたいことがあるんだけどさ……」
『最後? 何かもう会えないみたいな言い回しだな~』
「はっ、そんなことねぇよ。イタリアに、遊びに来ればいいじゃないか」
『確かに! で、何?』
「急ぎで頼みたいんだけど、香織の持っている俺の昔の作品を買い戻したいんだ……」
『え……香織ちゃんから?』
「あぁ……これからお世話になるイタリアの画商が、昔の作品も取り扱いって言われてさ。俺の手元にあるのだけじゃ足りないんだ。香織が結構買ってくれていたからさ安岡から説明して貰えないかな? 俺はもう、香織に連絡しない方が良いだろうから……」
『嘉之……。分かった! そういう理由なら協力するよ』
「助かる。作品はトランスの方に着払いで送って貰えればいいって言って貰えるか? 担当さんも面識あるから、それで大丈夫だと思う」
『了解! いつまでに送って貰う?』
「出来たら、早めが助かる。今日か、明日か……」
『本当に急ぎだな!』
「あぁ、俺も驚いた。一気に話が進んだからさ。あと悪いけど、いつ送って貰えるか香織に確認取れたら、メールでいいから教えてくれないか? 会社の方にも連絡しないとだから」
『承知! 香織ちゃんに連絡取れたら、お前にメール入れとくよ。イタリア準備、頑張れよ!』
「……あぁ、マジ助かるよ。安岡……」
口元に笑みを浮かべ、心から安岡に感謝した――――。