テキストサイズ

君と描き始める未来に

第2章 指輪と混乱と我慢

俺は香織に向き合う様に、床に膝立ちして目線を合わせると


「えっ、肩からじゃないの?」


「肩じゃないよ…。」


俺は香織を抱き締めた。


「志信…さん?」


ちょっと驚いてる君に


「はぁ…安心する。」


「安心…?」


抱き締める腕に、少し力を入れる。


「香織と同棲始めてから、ずっと一緒だったから、入院してる時、寂しくて仕方なかったよ。」


「志信…。寂しい思いさせてごめんね。」


香織の腕にも、力が入った。


「本当に!待ちに待って、やっとラブラブ出来たのに、今度はまた2ヶ月お預けだもん!」


「ご、ごめんね!」


本気で焦ってる香織が、可愛くて仕方ない。


「香織は…悪くないよ…。一人の命救ったんだから…。」


「えっ…そうかな…。」


「うん…でも…俺は狂いそうだった。」


「あっ…。」 


身体を少し離して、切なく瞳を見詰める。


「生きててくれて…本当に良かった…。」


ストーリーメニュー

TOPTOPへ