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君と描き始める未来に

第3章 実家の魔の夜

その頭を抱き締めて、頬を摺り寄せる


「香織…大丈夫…。」


「うん…ちょっと…クラクラするけど。」


呼吸困難に、させちゃったからな。


「ごめんね…苦しかったよね。」


「大丈夫…気持ち、良かったよ…。」


グラリ…。


一瞬景色が、歪んだ気がした。


また、襲いたくなる…。


「あ…志信…唇に。」


「何?」


理性をフル回転していたのに


「唇に、グロス付いちゃった。」


俺の顔をジッと見て、中指でグロスの着いた唇を拭う。


指の腹で唇をなぞっていく感覚は、何とも言えなくゾクゾクさせる。


「香織…自分で拭くよ…。」


「そう?でも、少しで取れるよ。」


「いいよ!自分でやるから…だから…。」


「志信?」


言葉の続きを待つ君。


「だから…もう一回…。」


「えっ!志信、時間が!」


「大丈夫…。」



今だけは、君を独り占めさせて…。

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