テキストサイズ

君と描き始める未来に

第2章 指輪と混乱と我慢

香織の意識が、戻った翌日。


「たく!あんたは、どれだけ心配させんの!」


お義母さんは、容赦なく香織に怒鳴り付ける。


「すみません…。」


香織は拗ねた風に、下唇を突き出して眉間に皺を寄せる。


そんな姿が、可愛い。


「小田切さんが、どれだけ必死だったと思うの!ちゃんと返しなさいよ!」


「志信…さん、ごめんなさい…。」


「大丈夫だよ…本当に良かった…。」


上目遣いで、瞳を潤ませてる君が愛しいだけだった。


まあ…改めて、あんな形振り構わず取り乱してた事が、恥ずかしくなってきたな。


お義母さんに、頭を下げて


「自分こそ取り乱して、すみませんでした。」


謝ると


「小田切さん!気にしないでね!寝てないんだから、休んでちょうだい!この子の為に、あんなに必死になってくれて…嬉しかったです。」


お義母さんは頬を赤く染め、手で覆っていた。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ