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身代わり妹

第5章 揺心

少し歩いた所にある公園。

そこのベンチに、奏佑くんと2人で座っていた。



「一目惚れしたって言ったじゃん?」

「うん…そうだったね」


奏佑くんの不機嫌な声に、顔を上げられずにいる。



「…全くそういう対象に入ってなかった?」


何て…

返事をしたらいいんだろう。


嫌いじゃない、むしろ好き。

でも、好きの種類が違う。


奏佑くんは、可愛い弟みたいな…そんな存在だ。



「……ごめん」

「……やだ‼︎」


俯いたままだった私の顔を奏佑くんの両手が挟んだ。

そのまま上を向かされ、間近に奏佑くんの顔が迫る。


「奏佑くん……っ⁉︎」



重ねられる唇。

奏佑くんの唇は、少し震えていた。



「マジで好きだから……」

震える声でそう言うと、奏佑くんはぎゅーっと私を抱きしめた。


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