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身代わり妹

第6章 暗転

大山さんには、工場を辞める旨をメールする。

『昨日は無断で休んですみませんでした。工場のバイトを辞めさせて下さい。迷惑掛けてすみません』


散々お世話になっておいて、

無断欠勤の上に、辞める事すらメールで伝える。

こんな最低な事をした私に、

大山さんはもう二度とあの笑顔を見せてくれないかもしれない。



花純ちゃんには当たり障りないように、

『たくさん迷惑掛けると思うけど本当にごめんね』

とだけ。

ああ…きっと花純ちゃんにも嫌われちゃうな……。





駅前の携帯ショップに立ち寄り、携帯の番号とメールアドレスを変えた。


そのまま電車に飛び乗る。


行き先は決めてあった。

凌太が車の免許を取ったばかりの頃に、私と由美さんを連れて行ってくれた海。


ただただ楽しくて、

ただただ凌太が好きで、

幸せを感じていたあの時……


最後の最後で思い出に縋るなんて…

未練がましくてイタイ女だと思う。


きっと凌太は覚えてないだろう。

だから、

その海のある街で、私は新しい生活を始めるんだ。




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