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身代わり妹

第7章 喪失

─────…


「─────…っ」


川橋から聞いた病院は、

思いがけない場所だった。



「─────…産…婦人科……?」



美優が……妊娠……?

次の言葉が出てこない。



『あぁ、今12週目だそうだ』

川橋の言葉に、頭の中で計算をする。


12週……

田口の所へ行くずっと前だ。

美優の誕生日に花束を渡した奴ともまだ出会ってない。


美優はまだここにいて……

別れてはいたれど……俺と……


俺の…………

間違いない……俺の……


「…………俺の子だ!」



身体全体が心臓になったかのように、心臓が大きな音を立てて鳴り響く。

頭の中の血まで沸騰しそうに身体が熱い。


ああ、俺と美優はまだ繋がっていた……。


美優っ……美優……今すぐ会いたい。



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