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身代わり妹

第9章 再会

<side 美優>


「瀧川 美優さん」

「はっ、はい!」

名前を呼ばれ、慌てて立ち上がる。


あ……ダメダメ。

これからはこんな風に慌てて何かしたらダメなんだった。



窓口まで行くと、そこに座る女性が優しく微笑んでくれる。


「おめでとうございます。こちらが母子手帳になります」


そう…

私は今、保健センターで母子手帳を受け取っていた。


─────まさかまさか妊娠してるなんて……‼︎


母子手帳の表紙の、空白の父親の欄を眺める。

先生が教えてくれた計算方法だと、

大山さんが初診で来た時に、私との仲を誤解した凌太と……した時の子。


あの頃は凌太以外の男の人なんて知らなかった。

─────間違いなく凌太との赤ちゃん。



(なんかママになったって気分になる。ママって呼んでくれるのはいつ頃なのかな)

母子手帳を鞄にしまいながら、まだペッタンコのお腹を撫でる。

お腹を撫でて話し掛けるのも、今ではすっかり日課になった。


いつも姉の身代わりだった私が、初めて見つけた私の生きる意味。


この子を無事産んで、無事に育てる。


今の私が笑顔でいられるのは、全部この子のおかげ。



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