身代わり妹
第9章 再会
「美優ー! これ、凌太から預かった」
秋村病院へと凌太が戻った数時間後、
荷物を届けてくれた由美さんから嬉しそうに渡されたもの…
─────婚姻届……。
既に凌太の分は記入済みで、
「早く早く! 美優も記入して」
笑顔の由美さんに急かされる。
「で…でも……本当にいいのかな?」
どうしても、
田口さんや売春の事…
姉や母の事は切り離せない気がする。
それに、
「院長先生は反対してたし……」
昼間、院長先生に言われた言葉を思い出す。
”凌太ももう29だ。
跡取りとして、相応しい相手を選び、更なる跡取りを産んでもらわないと困る”
凌太に相応しい相手……。
皆の前で売春の事を言ってしまったから、きっと私なんかが相応しいとは思ってもらえない。
「あー、そう取っちゃったか……」
ため息交じりの落ち着いた低い声。
「院長先生⁉︎ 」
見れば、病室のドアの所に院長先生が立っていた。
「ごめんね、美優。この人本当に言葉選びが下手くそで…」
院長先生を見た後、由美さんが苦笑しながら私を見た。
「え? どういう……?」
私の頭はまだその会話についていけない。
「美優ちゃんのお母さんに牽制したつもりだったんだ。
つまりは凌太と美優ちゃんの結婚を許して欲しいって言ったんだけど……」
院長先生はそう言って笑った。
秋村病院へと凌太が戻った数時間後、
荷物を届けてくれた由美さんから嬉しそうに渡されたもの…
─────婚姻届……。
既に凌太の分は記入済みで、
「早く早く! 美優も記入して」
笑顔の由美さんに急かされる。
「で…でも……本当にいいのかな?」
どうしても、
田口さんや売春の事…
姉や母の事は切り離せない気がする。
それに、
「院長先生は反対してたし……」
昼間、院長先生に言われた言葉を思い出す。
”凌太ももう29だ。
跡取りとして、相応しい相手を選び、更なる跡取りを産んでもらわないと困る”
凌太に相応しい相手……。
皆の前で売春の事を言ってしまったから、きっと私なんかが相応しいとは思ってもらえない。
「あー、そう取っちゃったか……」
ため息交じりの落ち着いた低い声。
「院長先生⁉︎ 」
見れば、病室のドアの所に院長先生が立っていた。
「ごめんね、美優。この人本当に言葉選びが下手くそで…」
院長先生を見た後、由美さんが苦笑しながら私を見た。
「え? どういう……?」
私の頭はまだその会話についていけない。
「美優ちゃんのお母さんに牽制したつもりだったんだ。
つまりは凌太と美優ちゃんの結婚を許して欲しいって言ったんだけど……」
院長先生はそう言って笑った。