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身代わり妹

第2章 嫉妬

「美姫に掛かる金は心配するな。俺にとってははした金だから」


唇すら触れ合いそうな至近距離に、

赤面した顔を見られたくなくて目を逸らす。


「でも…

ずっと甘えてる訳には……」


チュッ…と、

優しく唇が触れ合う。

驚いて凌太を見上げれば、その瞳はとても優しくて……引き込まれる。



「俺がしたくてしてる事だから、美優は気にしなくていい」


─────お姉ちゃんのため?

外の世界を知らないお姉ちゃんのために?


お姉ちゃんは美人だから、綺麗でいて欲しいのかな……。



「……お姉ちゃんと出来る事は…身代わりにしちゃあダメだよ……」


凌太の腕の中は温かくて、甘えたくなる。

私は、卑屈な心を凌太にぶつけていた。


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