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身代わり妹

第3章 解禁

「凌太ぁ、美姫の事、ぎゅーって抱き締めて…」


凌太と姉が付き合い始めてから2ヶ月が経とうとしている。

最近、姉の見せ付け行為はエスカレートしてきている。


─────姉は、不安なんだろうか。


私と凌太の仲を、まだ疑っているのだろうか。



私と凌太が半年振りに肌を重ねてから、二週間が経っている。

姉には気付かれていない筈……。



凌太にとって、私は姉の"身代わり”…。

わかってるのに心は期待してしまう。


抱き合う2人の姿に、唇を噛んで涙を堪えた。




「足りない……」

凌太の胸に顔を埋め、チラリと私を見た姉が呟く。


「ねぇ凌太。キスしよ?」

「……見られながらする趣味ないよ」


「見せたいの!」

大きな声を出したせいで、姉の息が上がる。


「今はっ、私が恋人なんだってっ、美優に…わからせたいのっ」

息を切らせて言う姉は、凌太の腕の中で私を睨みつけていた。



(何の…ために─────…?)

私から凌太を奪っただけでは物足りないのか…。



「……必要ないだろ。俺は…美姫の恋人なんだから……」


─────…っ

わかってる。

言われなくたってわかってる。



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