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身代わり妹

第3章 解禁

「もしもーし! 大丈夫?」


目の前で大きな手がヒラヒラと振られ、我に返る。

見れば、浅川さんが怪訝そうに私の顔を覗き込んでいた。



「何で高校行かなかったの?」

「……行けなかったの」


「馬鹿だから?」

浅川さんの言葉に思わずまた笑っていた。


「ふふっ、馬鹿だから」

「嘘だー! 秋村病院は馬鹿は雇ってくんないでしょ?」

「どうかな」


本当に可愛いらしい人だ。

つい笑顔が零れてしまう。



「ねぇ、名前聞いてもいい?」

「瀧川 美優」

「……メアドは? 聞いてもいい?」

「いいよ。今、携帯持ってないから紙に書くね」

私はポケットからメモ帳を取り出し、名前から書き始めた。

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