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身代わり妹

第5章 揺心

昼休みの食堂に、花純ちゃんの大きな声が響いた。


「美優先輩、お誕生日おめでとうございます‼︎」


一瞬静まり返る食堂。


「花純ちゃん、声大きい‼︎」

今更だけど、私は慌てて花純ちゃんの口を塞いだ。



「え? お誕生日だったの? おめでとう」

「おめでとうございます」


混雑前…まだあまり人のいない食堂。

だからこそ? そこにいた人達がワラワラと集まって来た。


「あ…ありがとうございます」


恥ずかしい……。

顔が熱い。

今、私の顔、絶対真っ赤だ。



「せーのっ」

花純ちゃんの合図に、食堂にいた人達が、ハッピーバースデーを歌ってくれる。



毎年の誕生日に由美さんが歌ってくれたな。

今夜も歌ってくれるのかな。


嬉しくて笑顔が零れるのに、同時に涙も零れてくる。

お祝いの歌と手拍子に包まれて、私は嬉し泣きしていた。

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