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ただ…愛してる

第14章 遭遇

はなこさんは…走り出した
俺の知らないはなこさんは



俺の知らない男性の腕を掴み
平手打ちした。



ほんの一瞬の出来事だった…



なにが起こってるのか分からず


人だかりが出来て

俺は…人の波で
はなこさんを見失った。




迷子の
迷子の
はなこさん…



雨が空から槍のように降りだし

はなこさんから貰った
手袋は
泣いてるように濡れた。




迷子の
迷子の
はなこさん



はなこさん…



我に戻り
人と雨の間をぬうように
わたる…

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