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砂漠の月、星の姫~road to East~

第3章 第三夜【砂の蜃気楼】

「ありがとう、いつもながら、ソニンは申し分がなくてよ」
「姫様もいつもながら、その髪飾りがとてもお似合いでいらっしゃいますわ」
 ソニンもまた姫に倣って、軽口を言う。
 鏡の中の姫は、そっと白い手で髪飾りに触れた。許婚者のフィーロは、輸入された玉の中でもとりわけ極上の石を選び、当代随一の腕の良い職人に細工をさせ、この髪飾りを姫のために作らせたのだ。

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