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砂漠の月、星の姫~road to East~

第3章 第三夜【砂の蜃気楼】

「フィーロ様は、今頃どうして、いらっしゃるかしら」
 普段は滅多に自分の不安を口にせぬタリム姫であったけれど、流石に今日は、それもできないようである。それもそのはず、今、この砂漠の中の小さな国は戦乱状態にある。しかも、大国モンゴルとの戦はけしてこの国に有利とはいえず、この城もいつ敵兵によって落とされるかといった切羽詰まった状況だ。

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