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砂漠の月、星の姫~road to East~

第3章 第三夜【砂の蜃気楼】

「何と儚い―」
 ソニンの眼から大粒の涙が流れ落ちた。あの美しい姫の微笑も、壮麗な宮殿も、奥宮の女たちの笑い声も、すべてが夢のようなものであったのかと、ソニンは茫然と祖国のあった場所を見つめていた。ただ、砂漠が見せた気紛れな蜃気楼のようなものであったのかと―。
                  (完) 

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