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砂漠の月、星の姫~road to East~

第2章 第二夜【国境の月~road to east~】

 もう一度、空を振り仰ぐと、太陽が今日一日の名残を惜しむかのように、西の空に最後の輝きを見せて今、まさに沈もうとしていた。空は急速に昼間の明るさを失い、主役を夜という気紛れな女王に譲ろうとしている。灼熱の太陽と炎暑の地獄が支配する昼間と違い、夜は夜で砂漠はまた危険に満ちた場所となる。怖さ知らずの獣と情け容赦もない夜盗が暗躍する砂漠は、冬のような冷気に包まれる。

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