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砂漠の月、星の姫~road to East~

第2章 第二夜【国境の月~road to east~】

 タリムはしきりに周囲を見回した。伝え聞くところによれば、この辺りに小さいけれど、水場―オアシスが存在するはずなのだ。地図にも乗らないような、本当にちっぽけなオアシスだというが、今のタリムにとっては生命を繋ぎ止めるための大切な水を与えてくれる場所なのだ。彼女は朝から、ひたすらその場所を目指して乾いた砂の上を歩いてきたのだから。

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