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砂漠の月、星の姫~road to East~

第2章 第二夜【国境の月~road to east~】

 やがて、タリムの顔がパッと輝いた。その視線の先を辿れば、ささやかな水場ともいえないような小さな泉が一つ、満々と蒼い水を湛えていた。タリムはまるで菓子を見つけた幼子のように走った。乾きと疲れのために半ば四肢の感覚が麻痺していたのに、自分のどこにそんな力が残っていたのか不思議ですらあった。

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