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砂漠の月、星の姫~road to East~

第2章 第二夜【国境の月~road to east~】

 タリムはそっと髪に手をやった。結い上げた艶やかな髪にリーラの花を象った髪飾りが一つ挿してある。これとわずかな食糧を交換して欲しいと男に取引を申し出ることもできた。が、これは、永遠の別離を告げた恋人の形見の品でもある。そんな大切な品を一時の飢えをしのぐ食べ物と代えるわけにはゆかない。

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