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そして僕等は絡み合う

第4章 人見 聡右の場合

カチャカチャ…陶器の音が近付いてくる。


「ブレンドで~す」


また、やる気無さ気にテーブルの隅に置いていく。 


パソコンを見ながら、カップに手を伸ばして、一口飲むと… 


「あ…旨い…」


コーヒーの味は、まともだった。


椅子の背凭れに寄りかかり、窓を見やる。


マッドがどんな奴か解らない…。


本当なら、コンビニの前で1日中立ってるのがベストだろう…

けど…


「マヨピョンだったらな…」


西垣さんが、本当にマヨピョンなら…
きっと、そうしてるんだ…。


例え普段の彼女が、俺の事嫌いでも…マヨピョンの時は…
一生懸命になってくれるから…。


ズキンズキン…


また、胸が少し苦しくなる。


「はぁ…病気かな…」


慣れない痛みに、ただの体調不良だと思っていた。 

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