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そして僕等は絡み合う

第4章 人見 聡右の場合

大きい塊が宙に浮き…


ドッスンッ!


地面に叩きつけらる鈍い音が、地鳴りの様に聴こえ…


「あっ!」
「きゃぁっ!」


「ぐはっ!痛たたたたぁ~!」


圧倒的な強さ…。


叩きつけられた側は、格闘技の寝技だろうか、腕を取られて動けない状態になった。


「南野さん!」


急いで駆け寄ると


「人見さん!大丈夫でしたか!?」


南野さんはマッドを抑え付けながらも、自分の心配をしてくれている。


「はい…全然大丈夫なんですが…南野さん、強いんですね…」


「はいっ!こう見えても学生時代から柔道をやってたんです!」


ニカッ!っと笑う笑顔が、普段の営業スマイルとは違ってとても、心強く思えた。


「それより人見さん…警察には…」


あ…しまった…。
南野さんの投げ技に目を奪われて、失念していた。


「すみません…今すぐに…」


「頼んますよ~!人見さん!」


自分とした事が…一番大事なときに冷静な判断が出来てない…。


唇を噛みながら、電話を掛けようとすると


「110もう連絡したピョ~ン!」


マンションに上から、声が降ってきた。


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